KURASOU.の藤岡です。
以前にお知らせした外部評価委員の平成28年度・29年度の2年間の任期を経て、
無事本日3月19日、任期満了に伴い委員の務めを終えました。
区民と専門家によるチェックの仕組みとは
そもそも私が務めた「外部評価委員会」って何でしょう?あまり聞き慣れない言葉だと思います。
シンプルにいうと、行政が実施した事業に対する、「区民と専門家等によるチェックのしくみ」です。
そうはいっても膨大な行政の事業があるので、外部評価委員会は3つに分かれています。
第1部会:まちづくり・環境・みどり
第2部会:福祉・子育て・教育・くらし (私はこの部会に所属しました)
第3部会:自治・コミュニティ・文化・観光・産業
どれだけの行政の事業の評価をしたかというと、
平成29年度:全体で84事業(うち所属した第2部会では26事業)、
平成29年度:全体で99事業(うち所属した第2部会では36事業)を「チェック」しました。
評価の流れとしては、行政がまとめた資料「内部評価シート」や「過去の評価結果」を
「チェック」し、課より直接「ヒアリング」し内容を把握したり質問をしたりして評価視点を深め、
最終的に「外部評価シート」としてまとめます。
外部評価委員会としてまとめた報告書を「区長に報告」し、区長はその「報告を公表」します。
区長は、内部評価・外部評価それぞれに対する区民からの意見を踏まえ、
行政委員会との意見調整後、総合判断を行い、「予算編成に反映」します。
そして区長はその「結果を公表」します。 これが一連の流れになります。
年齢も経験もバラバラ・・ドラマチックな部会の時間
外部評価委員会は①学識経験者 3 名 ②公募による区民 6 名 ③区内各種団体の構成員 6 名の
15名で構成されます。
年齢はほとんどが60代以上で、80代の方もいらっしゃる中、
私は30代前半で、子育て世代としては最年少で委員に就きました。
やはり世代や経験が違うと、頭でわかっていても当事者ではない分理解が薄い部分もあります。
委員1人1人、何かしら想いをもって務めるわけですから、時に感情的になったり客観的になったり。
結論がいつまでも出ない評価対象の事業について、それぞれの部会でかなり積極的な意見交換が
行なわれたと聞きましたし、実際に私の所属した第2部会でもそんなシーンはたくさんありました。
自分の所属する団体が関わる事業となると、普通なら知り得ない裏事情もあるのでしょう、熱量は高まります。
この熱量のバランスを保ちつつ、委員同士、そして各課と行なう「ヒアリング」での
相手の発言に対し、どこまで事前に準備し、理解を寄せ、新しい知識・見識として自分の中で読み込むのか。
今回の委員経験において、とても研ぎすまされたと感じています。
住民も行政も、暮らしを良くしていく共同体であること
委員活動の感想ページには、最後にこう寄せさせて頂きました。
新宿区男女恊働参画誌編集委員を経て、外部評価委員となりました。
子育て世代として、また老人福祉事業を行っている一事業者として、2年間担当した第2部会
(福祉、子育て、教育、くらし)の外部評委員を2つの視点から感想を寄せたいと思います。現役の子育て世代としては最年少で臨んだ本委員会では、生活の当事者として現実感をもって
外部評価に取り組むことができました。
どうしても世代に偏りが出るこのような委員会において、直接行政の方に対して意見を届ける経験が
できたことは、ぜひ他の若手・子育て世代にも経験していただきたいと思います。
また老人福祉事業の一事業者としては、特に「指標設定の仕方」「業務委託先に対する評価の仕組みづくり」「外部評価委員と向き合う所管課の姿勢」について意見を述べる機会が多くありました。
委員も所管課も区をより良くしていく点では共同体であると思うので、互いに理解しより深みのある意見のキャッチボールを続けて頂くことを今後に期待し、結びます。
外部評価委員が最も忙しい夏期、「内部評価シート」や「過去の評価結果」の読み込みのために
ネット検索で該当する事業の議事録まで読み込み、図書館などで自分の知識を大きく広げるための
時間をとても長く持つ必要がありました。
加えて「ヒアリング」に向けては、各課長ら責任者と30分間意見交換ができるほどの情報量、
質問力、そして引き出し力が問われることとなり、準備にも大変時間がかかりました。
確かに平日の日中の時間にこうして委員として出向くことは簡単ではありませんが、
平成29年度からは、最も忙しい夏期については、行政管理課が自ら託児手配を申し出てくれたおかげで、
預け先の心配をせず評価に集中できたことは、やはり子育て世代として存在を示せたからだと思っています。
みなさんの地元で、何かしら委員募集などがあれば、ぜひまずは挑戦してみてください。
きっと知らなかった仕組みや、出会う人たちによって、より暮らしについて考えを深めていくチャンスになると思います。
(藤岡)
※参考資料:平成29年度 外部評価実施報告書