【活動報告】子連れで議会傍聴(常任委員会・議案編)(藤岡)

KURASOU.の藤岡です。実は今月に第二子出産を控えています。
産休のいま、ゆっくり映画でも・・・と思いはよぎりながらも、向かった先は新宿区役所。
平成27年度第二回区議会定例会の傍聴にいってきました。


“実験”を通して感じた必要なこと

4月から5月にかけて、KURASOU.の運営するおやこ暮らし大学にて、
「わたしと政治」全3回の連続ワークショップを、
NPO法人YouthCreateさんとの恊働開催で行ないました。

先ずは自分の「じぶんごとの発見」、
次に「じぶんごとの解体」
そして最後に現役区議との「じぶんごとのアイディア交換」の場を段階的に設定し、
いかに自分と政治の距離を近づけることができるのかの、まさに“実験の場”でした。

全3回の企画、運営を通してみえてきたものは、
文字面だけの政治の世界に、いかにわたし達が主体的に関われるのか。
そのためにはどんなプロセスが必要なのかを更に深掘る必要があるということでした。

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行政と議員のLIVE感を味わう

実は、区議会定例会(以下議会)傍聴はこれで3回目です。でも、今回が一番面白い!と感じました。

議会は、主に2つのタイプに分かれます。
1つは、「本会議」という、区長・行政担当者・議員全員が出席し、
党を代表しての代表質問、議員個人の一般質問が行なわれます。

そしてもう1つが、「委員会」です。
議員1人1人が委員会に所属し、更に◯◯地域の防犯や△△園の冷暖房設備について・・など、
細かい部分を少人数で行政からの議案や、行政担当者との質疑応答を行ないます。

いわゆる、“寝ている議員”は前者に出席している多くの議員です。
・・・なぜでしょう?

実は「本会議」の質疑内容は一分一句決められており、
“議会というよりも儀式に近い”という表現をきいたことがあります。

手元の資料を読み上げている方は必死ですが、聞いている方は何ら変化もなく、自分の出る場がないとするならば、ついうとうと・・。
議員の肩を持つつもりは全くありませんが、実はこういった内情もあるのです。

話を最初に戻しましょう。今回が一番面白い!と感じた理由は、
行政と議員の台本なき掛け合い、【LIVE感を味わえた】に尽きるからでした。

平面を立体にしていく作業

「委員会」は主に2つのやり取りで成り立っています。

・行政から議案、(事後)報告の説明

・議員と行政担当者による質疑応答

一般企業の会議でも同じですが、
この場合はいかに質問力が質問者にあるのかが一手に見て取れるのです。

委員会で行われる質問にはまるで台本がありません。
数字の更に詳細について、報告の上がった現場での、担当者(行政)の感触・印象など、
必ずしも資料として配られる文字、つまり平面からは浮かんでこないものが、
様々な質問によって、まるで立体になっていく様子が見て取れました。

例えば、こんなアイディアどうだろう?

傍聴しながら、こんなことを考えていました。

  • 先ずは自分の「じぶんごと」がわかっていると、身が入りやすいな。

今回わたしが傍聴した委員会は、〈文教こども家庭委員会〉。
子育て渦中にいるため、多少土地勘がなかったとしても、
使われている用語や現場の雰囲気など、なんとなく掴めるため、傍聴している側として身が入りやすかったです。

  • いつでも行政と議員のやり取りがわかる情報をとれるような集約されたもの、
    できれば「一目で」わかりやすいものがあると良いな。

投票してから、そういえばあの人、どんな仕事をしているのだろう?
政治が“よく分からないもの”に陥り勝ちな理由に、情報が全く更新されず、
有権者のわたしたちから興味をどんどん失ってしまうことがあります。
議会は平日日中。誰しもが来やすい状況で行われているわけではありません。
いつからでもキャッチアップができるような、そんな情報が集約されているとより身近に感じやすいのに、と思います。

たとえば、アメリカには、democracy.comというサイトがあります。
候補者、有権者、そして組織を持つ団体がそれぞれ登録でき、
候補者の実績や現在の動きまで、一目でわかる仕組みになっています。

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少し主旨は違いますが、こういったスマートに集約されたものがもっと日本にもあっていいなと思います。

 

  • 行政と議員と、わたしたちという3者が立ち会っている、フラットな場があると良いな。

NPO法人YouthCreateさんが開催している、Voter’s bar
おやこ暮らし大学では、Voter’s caféと称して、議員と有権者のフラットな意見交換の場を設けました。
アイディアが目の前で交換され、それがより反映されるには、行政の存在もまた必要なのではと感じました。


言葉をあえて選ばずにいうなら、
「あ、意外と本質的なこと、話すんだこの人たち・・・」と、
ある意味では嬉しさを感じた傍聴の時間でした。

まだまだわたしたちは、歩み寄れる。
そんな希望を胸に頂きながら、ぜひ楽しみながら政治への自然な歩み寄りのアイディアを、
今後もみなさんと考えられたらと思います。

(藤岡)