前日までの天気がうそのよう、初夏を思わせるようにすっきり晴れた16日、
先月開校した育児真っ最中の親と子が通う保育付きの学び舎、
「おやこ暮らし大学 わたしと政治」全3回連続ワークショップの1回目を開催しました。
今回のテーマは「わたしと政治の関わり」。
政治と若者をつなぐ活動をしているNPO法人YouthCreate代表の原田賢介さんをスピーカーに迎え、
前半は「政治へのイメージ」について、原田さんと参加者との対話を重ねました。
後半はコミュニティオーガナイジングの一部を引用し、「じぶんを語ろう」-ストーリーオブマイセルフ-と題して、
今自分が課題として向き合っているものと、自分の人生とのつながりを発見するワークをしました。
一歩先にあるかもしれない、問題解決の糸口
みなさんは「政治へのイメージ」と聞くと、何を思い浮かべますか?
今回は参加者から事前にそのイメージを聞き、一枚のシートに並べ、それをもとに話を始めることにしました。
参加者一人ひとりが持っているイメージについてなぜそう思っているのか、など積極的に意見を出し合いました。原田さんのわかりやすい解説を交えながら、途切れることなく話は続きます。
そして、参加者のこんなエピソードから話は広がりました。
子どもたちに公園で段ボール基地を作って遊ばせたくて許可を得ようと区役所に電話したが、断られてしまった。公園はそこに住む住民のためにあるはずなのに…」
このエピソードから、“役所の役割っていったい何だろう?”という疑問が出てきました。
原田さんからこのように話がありました。
「行政の役割を担う役所は、管轄している地域で苦情やトラブルが起きないよう色々な決まり事やルールを設けている。このルールに従って対応していくことが役割の一つでもあるのです。」
みなさんのなかにも、役所の窓口に行って何かをお願いした時に、“規則にないから無理”などと断られ、
しぶしぶ帰ることになった経験がある方もいるかもしれません。
そして「役所がダメだったら、誰にいっても何も変わらない。」と感じたことはありませんか。
「行政を動かすことができるのは、政治家の一つの役割でもある」
原田さんの話を元に、
- 自分の考えに近い議員や、自分が解決したい問題に特に力を注いでいる議員を知る
- アプローチをし、解決の道を相談してみる、
という手法が一つのカギとなることを学びました。
そのアプローチの仕方などは、次回具体的に学んでいくことにしています。
言葉や表現を変えてみる
またこのエピソードの中で、参加者の一人で日本に3年住んでいるドイツ出身の方からこんな面白い話もでました。
「ドイツでは、公園で何かをしたいという時に誰かに許可を得るという発想はあまり聞いたことがない。ルールがあることはほとんどなくて、なにかあれば当事者同士がその場で話合えばいい」
ドイツの話を聞くことができたことで、別の参加者からとてもワクワクする発想が。
例えば公園の看板に、“〇〇禁止”や“ここで〇〇してはいけません”と明確にルールを書くのではなく、“みんなで話し合ってね”と書いてみる!!
一同 “なるほど~”。
日本だけでなく、他国の人も交じってワイワイと話せているからこその新しいアイディア。
おやこ暮らし大学が目指している【世界中の親の思考が出会う場所】の未来をみている気がしました。
地域を知ることのその先に見えること
前半のもう一つの大きな発見は、「地域を知る=政治につながっている、政治を知る」ということでした。
近所の人とのかかわり、町内会とのかかわりを通して見えてくることは、
発展すると政治に関わることにつながるということ。
身近なところを入口にして、
「意見を言えば何かが変わるかもしれない、大人は動いてくれるんだ」という体験を
子どもたちにしてもらうことが大事だ、という意見もでました。
小さい体験かもしれないけれど、この積み重ねが、これからの日本を担っていく力を
育てる一つのポイントになるのではないかという予感がしました。
じぶんを振り返り、じぶんを語るということ
さて、後半は、「じぶんを語ろう」という個人ワークをしました。
KURASOU. 代表藤岡の解説をもとに、コミュニティーオーガナイジングの手法を使いました。
今回紹介できたのは、この手法のほんの触りの部分ですが、参加者は初めて体験するワークに興味津々でした。
コミュニティオーガナイジングとは、「市民の力で、社会は変わる。」
2008年、アメリカ史上初の黒人大統領誕生を導いた、
市民主導型の社会をつくるための体系化を行なった、マーシャル・ガンツ博士の手法です。
コミュニテーオーガナイジング1つ目の要素、「自己を語る(パブリック・ナラティブ)」を通して、
「じぶんごと」と人生がどの部分でつながっているか、を考え発表しペアから
「どの部分に共感したか」などフィードバックをもらいます。
話が尽きず時間が足りない部分もありましたが、
限られた時間の中でじぶんのことを話すことのむずかしさも感じながら、頭と心をフル回転させて過ごした時間でした。
(以下、全体を振り返ってのアンケートより抜粋)
・行政とのやり取りの次の段階として、議員との関わりがあるというステップがあることに気付けた
・うまく言葉にできないことを代わりに言葉にしてくださる方もいて共感の嵐だった
・自分の政治へのスタンスがはっきりした。草の根で何をすべきか見えた
・政治とは何かを考えたことがなかったが、それを少し意識化することができた
一方、子どもたちはというと…
親と離れる瞬間も、とても穏やかな雰囲気でした。
今回協力してくださったのは、会場もお貸りした、まちなか学童ラボアンドタウン成城校さん。
子どもたちの楽しげな表情やはしゃぐ姿を、クリアな壁越しに見守りながら、
お母さんたちは安心して集中した時間を過ごせたようです。
様々な考えを持ち、国をも超えて集まった個性豊かな面白い参加者たちと、原田さんの力があわさり、
おやこ暮らし大学は、力強い一歩を踏み出したと実感した一日でした。
さて次回(5月14日)のおやこ暮らし大学は、「これからの私と政治の関わり」をテーマに、
元川崎市議の吉田ふみこさんをゲストに迎え、議会について、議員についてなどを
お話いただきながら、具体的にどのように政治に関わっていったらいいのかなどをみなさんで深く考えていきます。
どうぞお楽しみに。
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次回の受付は終了しています。
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現在募集中の回はこちらです。
【土曜開催】5月16日(土)10時~12時 「Voter’s Cafe 親と政治家の思考が出会う場」
@大塚 こそだてビレッジ
▽募集人数
15名
▽参加料金
1名参加:2500円
①、②いずれかの参加者:2000円(500円割引)
パートナー参加:4000円(1000円割引)
▽開催協力
NPO法人YouthCreate
現役区議会議員の方々
▽申し込み先
http://peatix.com/event/85810/
▽Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/870516476346326/
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(齋藤)