【コラム】「意思の選択を研ぎすませる」熊本地震1ヶ月が過ぎて(藤岡)

4月14日以降に熊本県と大分県で相次いで発生している地震。
連日被害の様子や、車中泊を余儀なくされている方の報道を目にする機会があります。

私が親になってから初めて起こった自然災害。私の頭に浮かんだのは、災害時の親子の姿でした。
家の被害と、仕事と、家族、特に心を乱しているこどもと一緒に居ること。そのどれもが緊急事態のために、
自分自身のケアをおざなりにしがちな親を思うと、いてもたってもいられない気持ちでいます。

「生の声」の重さ

とはいえ、今すぐ災害ボランティアに参加することは物理的に難しい今。
現地の生の声を聞きたいと思っていた矢先、
実際に現地で災害ボランティアに6日間参加した友人から話をきく機会を得ることができました。

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益城町の様子・友人撮影

熊本地震発生から2週間後、土木など特殊な技術をもつ災害ボランティア活動のサポートで現地入りした友人。
活動で発生する事務的サポートをしつつ、被災した方の声を聞いて回ったそうです。そこで聞こえてきた声をご紹介します。

・もっと近所付き合いをしておけばよかった


がれきの処理や、雨漏りを防ぐために家を覆っているブルーシートの音。
なんだか他の家より大きい音をたてている気がして、近所に迷惑になっていないだろうか、
いつもだったら気にしないような些細なことがとても気になる。もっと近所と色んな話できてる間柄だったら気兼ねしなかったのかもしれないけど、今はみんな、それぞれ大変だから・・。

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益城町の様子・友人撮影

 

・見通しが、本当に立たない

家がこんな風になってしまって・・・。これから先また余震がくるかもしれない。
また倒れるかもしれない。直すにもお金がかかる。
自分が今まで経験したことがないから、本当にこれからどう暮らしていけばいいのかもわからないんだよね。

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益城町の様子・友人撮影

友人からは、物的支援はもちろんのこと、
「心に寄り添うサポート」の両軸が、今後ますます必要になってくる、という話を聞きました。

意思の選択を研ぎすませる

続く余震、ぐちゃぐちゃになった家、仕事も保育所も再開しない。
「その地にこれからも住み続けるのか?」
暮らしをつくってきた昨日とは一変した風景をみて、あなたなら自分になんと問うのでしょう。

そして、たった5年しか経っていない東日本大震災。
20年前の阪神大震災を経験した方達の暮らしは今どうなっているか、一度止まって想いを馳せて欲しいと思うのです。

例えば、スーパーで野菜を手に取る時。産地をみて何をどう選択しているのか。
後回しになりがちな災害の備えはどうしているのか。
そしてもちろん、復興に当てられている税金、国のお金はどのように使われていて、どうなっているのか。

私たち親が、意思の選択を注意深く、研ぎすませていかねばならないと思っています。

熊本地震で被害に遭われた方々の生活が1日でもはやく回復しますように、
微力ながらも顔のみえるつながりの中で、支援を行なっていきたいと思います。

 

2016年5月16日
KURASOU. 藤岡聡子

・メディアにて執筆しています。見直しをするポイントとして参考にしてくださればと思います。
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